私が急に泣き出すと、リバーさんは少しだけ動揺した。
「えっ」という吹き出しがいかにも似合いそうな表情だった。
私は小さい声で「すいませんでした」と言った。
涙が蛇口をひねった様にじょろじょろと頬を流れ、止まらなかった。
とりあえず、引き出しに入れておいた花粉対策用の3Dマスクを装着してごまかした。
100均で買った手ぬぐい1枚分、豪快に鼻をかんでそのまま捨てた。
しばらく放心した後、またカタカタとキーボードを打ち始めた。
リバーさんは近くで私を見ていて、おかしいと思わなかったのか?
気づいていたけれど私の成長を思い、追い込んだのか?
そもそも結果しか見ておらず、それを必死に支えているメンバーなんてどうでもよかったのか?
ま、仕事にムラがある私がいけないか。
聞かれた事にちゃんと答えない私がいけないか。
気味の悪い作り笑いで、終始ヘラヘラしている私がいけないか。
こんなの彼にとっては、「うさばら氏さんが重度の鬱だなんて知らなかったんですよ~~~」で片づく話だ。
そして、泣きはじめた午後3時から眠りにつく深夜1時まで、一度も涙は止まらなかった。